出来言

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   IV やることもなく暇だったゆえ、僕は外へ出ていた。 すっかりと日が落ちて暗くなり、空には星が瞬いている。 都会ではないが、田舎と言うほどの田舎でもないため、そこまで物凄い星達は見えないのだけど。 それでも。 綺麗なことに変わりはない。 暗くなってからの散歩は好きだ。 星も見えるし、風が昼間よりも澄んでいる気がするから。 いつもテキトーに適当に、歩く。 繁華街の明るさを感じる日もあれば、家から零れる光を眺める日もある。 今日はどちらかと言うと、後者のほうだな。 繁華街からは逸れた、住宅街をゆっくりと歩く。 何となく、自販機で飲み物を買ってから、近くの公園へ目を移す。 そこは、ど真ん中に大きな木が生えており、巷で有名な公園────って、あれ? 「人、か?」 大きな木の傍に誰かいる。 上を見据えているのか、後ろからだとあまり詳しくわからない。 僅かだが、紐か何かが木から垂れている気がする。 街灯がなく、暗くてわからない。 ただ、何か異様な感じがする後ろ姿だ。 「琴吹さん……?」 知らず知らずの内に口にしていた。 ただ、距離があるために自分にしか聴こえない。 そんな目の前の女の人は、跳んで、あろうことかロープに首をかけた。 かけたァぁぁあ!?
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