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「……冬杜、ちょっと席を外してもらえると助かるんだけど」
ここまでしてもらって心苦しいが、琴吹さんのアレに関しては話せない。
まぁ、話せば手伝ってくれちゃうのだろうけど
そしたら僕は死んでしまう。
抹消されてしまう。
だからせめて本当に心からの感謝と申し訳なさを込めた視線を送る。
「祗園君、とりあえずその熱視線をやめて。わかったよ、ならウチは先に帰るね」
熱なんて加えてねぇよ。
「いや、ちょっとちょっと待ってよ冬杜さん。私をこの……、と二人きりにするつもり?嫌よそんなの」
「名前言うのすら嫌なのかよ!?」
僕の扱いが雑すぎだ。
「でも祗園君、ウチには話せないってことじゃないの?」
「あぁ、そうだ」
「だってよ?どうする琴吹さん?」
「仕方ないか……。何かしたらその時は殺すから」
睨みを効かせられた僕は硬直。
なんだメデューサの能力持ってるんじゃないだろうな、……ってそれは僕。
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