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「おはよう、祇園君。でもこの時間だとこんにちはかな」
「本当だったら、こんにちは、だけど今日初めて会ったんだし、おはよう、で良いんじゃないか?」
僕が来るタイミングが数分も狂わずにわかっていたかの様に挨拶を交わした、目の前にいる黒髪ショートボブの女の子は
冬杜 雫─フユモリ シズク─。
見た目から完全に勉強出来る子の風格。
そんな冬杜の隣の席に座る。
「それで祇園君、ウチになんの様かな?電話が来たときには教えてくれなかったでしょ」
小首を傾げる冬杜。
全てわかっている様な目をこちらに向けてくるが、僕は意に介さず手に握り締めた例の物を冬杜へ渡した。
「これ、いわゆるラブレターってやつかな?冬杜の意見が欲しかった」
「これは、いわゆるラブレターだね。でもウチに見せてよかったのかな祇園君?」
ウッハァぁぁ。
やっぱりそうかぁ、僕にもとうとうきたか、モテキならぬモテ気、あ、モテ期。
違ったらどうしようかと思ったんだよね、だって勘違いで浮かれたら恥ずかしいじゃん。
でもあの冬杜が言うんだから間違いないさ。
「人生最良の日ですッ!!」
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