神様テスト

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「わかりました。受けます。いえ、受けさせていただきます」  男はとうとう決断した。 「その気になってくれてよかった。ではさっそく始めようではないか」 「はい」  かくしてテストが始まった。 夏の暑さも蝉の雑音も、今この場では何も感じられない。 男は目の前の状況をやり過ごすことにしか神経を働かせることができなかった。 裏手の雑木林は他人事のように静かに揺れていた。
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