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「ああ、ああ、わかっているよ。突然に茶壺が話しかけてきたのだ。驚くのも無理はない。だけれども、そんなに警戒しなくたっていいのだよ」
相手は飄々と答えた。
照りつける太陽が茶壺のくすんだ黒い肌を、そして男の訝しげな顔をじりじりと焦がす。
「貴様は何者かと問うておる。わたしには貴様のような知り合いなどおらぬ」
多少のいらだちを込めて放たれた男の言葉に、とうとう相手は自分の正体を明かした。
しかし、その返答はにわかには信じられるものではなかった。
「私はね、神様なんだよ」
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