こえ

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それは 『好きな或いは興味のある歴史上の人物、組織についてレポートを書け。 また、歴史上の出来事でも構わない。』 という内容のもの。 爽和は既に何を書くか、紙が配られた時点から決めている。 新選組について。 それ以外は有り得ないと思う。 新撰組の事なら、もう何も見なくてもレポートが10枚は出来上がるぐらいに調べ尽くし頭に入っている。 何が起こったか。 誰がいて どのように生きたのか。 どんな技をもっていたのか。 爽和の最も尊敬する人物も、そこにいた。 「おばさん。 ただいま帰りましたー」 足取り軽く帰宅する。 しかし想定外の出来事が、一気にテンションを落とした。 「あら、お帰りなさい。 今日は妹が来てるのよ。」 出迎えてくれたおばさんはにこやかに紹介してくれた。 でも知ってる。 だって扉の向こうにみえているから。 「皐ちゃん。 爽和ちゃんよ。 大きくなったでしょう?」 扉の向こうにいた人が此方を一瞥する。 そして鼻にかかるように笑って、一言。
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