こえ

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「大きくなったのね。 姉さんに良くしてもらったようで何よりだわ。 随分と家族らしくなったのだから"お母さん"と呼んだら良いんじゃない?」 本人に悪気は…きっとある。 でなければ、こんな事を言えるはずがないのだから。 おばさんは、苦笑いしていた。 私だけじゃなくて、おばさんも困らせてる事にこの人は気付いてない。 受け流せば、良い。 いつもみたいに。 でも、どうしてか今日は、震える拳が止まってくれない。 ダメだ、我慢できない。 「爽和ちゃん!?」 おばさんの驚いた声が後ろから聞こえた。 だけどそんなのはお構いなしに 気付けば家を飛び出していた。 行く宛もなく家を飛び出し、ふらふらと歩いていると、いつの間にか目の前には川があった。 どこをどう歩いたのか何て覚えていない。 ただ川がある場所。 じっと川を見つめていると、後ろから強い衝撃がやってくる。 「ふぇ…?!」 思わず奇声を発していた。
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