こえ

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それもそのはず。 これぐらいの衝撃、普段ならば踏ん張りをきかせて止まることができる。 しかし哀しいかな。 踏ん張るために足を置くところは、超がつくほどの急斜面。 勿論、踏ん張る事なんか出来ずに、真っ逆様に落ちていった。 後は正に"流れ"作業。 そのまま川に落ち、流れに抗うことは出来ず流される。 流れは激しく、足もつかない。 爽和は金槌ではないが、こんな急流の川を素人が泳げる筈がない。 大量の水をのみ、気管にも入り息ができなくなる。 意識も遠退く。 ――――死ぬかも 死んだら、会いたい人に会えるかもしれない。 そんな淡い期待を抱いて 爽和は意識を手放した。
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