お慕い申し上げておりました

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********** さむ…い… だれか…あたためて… 「ぁ…」 どうしても寒くて、誰かに温めてほしいと思ったら自然とうっすら目が開く。 視界に映ったのは…可愛い…犬 あぁ…会いたかったよ。 「わんこ……」 あまりに嬉しくて思わず抱きしめる。 あったかいなぁ… 「えぇぇ!ちょっ…えぇ!」 困惑したような声が上がる。 「ぶはっ! 平助のやつ、犬と間違えられてやがるっ。っぶ!」 「あー、やべ。 もう涙が出そうだわ。」 笑い声が室内に満ちた。 「ちょっと、左之も新八も! 笑ってないでさ!」 あれ…? 犬ってしゃべらないよね… 「へ…?」 先程までうっすらとしか開いていなかった目は、極限まで見開かれた。 目の前、鼻と鼻がくっつきそうなぐらい近くには顔がある。 「やっ。」 寝ぼけていた頭は一気に冴えた その人の下から急いで逃げ出し、後退するが直ぐ壁に背がぶつかる。 それ以上は下がる事は出来ない
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