お慕い申し上げておりました

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「な、なっ…」 何してるんですか、そう言いたいのに言葉にならなかった。 しかも、さっきは気づかなかったが、服の襟に手をかけられていた事に今になって気づいく。 「何でふ、服に手をかけてたんですか!?」 あわあわして部屋にいる三人の男を見つめるのは勿論、爽和だ。 「いや、お前ずぶ濡れだろ? だから着替えさせてやろうと思って…そんな慌てる事でもないでしょ、男同士だし。」 そう言ったのは先程、爽和が犬と間違えた男。 そして言われて自分がずぶ濡れな事に気づいた。 でも、それよりも、もっと気になったことが。 「おとっ…!んー…」 容姿にこだわりはない。 しかし男と言われれば、仮にも女なので多少傷つく。 「なぁ、お前、何で川に倒れてたんだよ。」 爆笑していた二人のうちの何か…危ないっていうか、色気のある雰囲気の人が聞いてきた。 「あ、それは川に落ちたので…」 川に落ちた。 その後、気づけばここにいた。 ここはどこなんだろう。 「あの…つかぬ事をお聞きしますが、ここどこですか?」
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