お慕い申し上げておりました

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「ああ。ここはな、 壬生浪士組だよ。」 少しだけ決めた顔で言われた。 「は…?」 壬生浪士組。 それは爽和の大好きな人たちがいた組の前身である組織。 でも彼らに会うことは叶わない だって彼らは、"過去の人間"なのだから。 「あの… え、私寝ぼけてるのかな… ごめんなさい。 ちょっと聞き間違いしてしまったみたいです。 もう一度お願いします。」 「「「み・ぶ・ろ・う・し・ぐ・み!」」」 三人ともが声を揃えて言う。 …聞き直しても、同じだった。 でも、よく見たら三人とも着物を着ていた。 いや…別に今でも着物着る人いるし、一概に"アレ"とは言えない。 "アレ"とは即ち タ イ ム ス リ ッ プ そもそも、この人たちの言っていることが嘘でないという確証はどこにもない。 「……」 爽和はすっと三人に近づき、それぞれの目をじっと見つめる。 「な、何だよ…」 「なに!?」 「綺麗な顔してんなー」 三人とも思い思いの事を口にするが、爽和は全く気にしない。
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