お慕い申し上げておりました

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彼らの目に、嘘は見えない。 と言うより、曇りのない綺麗な目だった。 え、じゃあ本当にあれなの? タイムスリップなの? 幕末なの? 「ちょっと!?大丈夫?」 急にがくりと畳に手をつけて、俯いてしまった爽和に男達は慌て声をかける。 「あ…大丈夫です…」 顔を上げてへらりと笑う。 幕末だという、急に突きつけられたら現実。 目の前が真っ暗になった気がした。 むこうでやっと"信じられる人"が見つかりそうだった。 上手く関係を築いた。 なのにここに来て全てを失ってしまった。 また真っ暗な道を一人で歩いていかないといけないの? 「あの、お名前を…お聞きしてもいいですか?」 悪いことばかりじゃない。 会えないはずの大好き人たちに会えた。 これからも会える。 そう自分に言い聞かせて、何とか心を保たせる。 「あー、まだ自己紹介してなかったんだっけか。 じゃあ、俺から。 俺は永倉新八。 よろしくな。」 体格の良い、何とも健康体そのものです!みたいな感じの人だ。 この人が最後まで生きた人… 生命力強そうだな。 だから生き残れたのかな?
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