お慕い申し上げておりました

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「そう…いいよ、別によく言われることだから。 全然気にしてないし。」 気にしてない…ことはない筈。 でも優しさで言ってくれたって分かる。 「ありがとうございます。」 「じゃ、俺。 俺は原田佐之助。 よろしくやろーな。」 この人は本当…何か危ない感じ。色気が半端ない。 要はイケメン。 「はい。 こちらこそ、よろしくお願いします。」 丁寧に頭を下げる。 「おう。 ところで、お前の名前は?」 「そう言えば…まだ名乗っていませんでしたね。 私の名前は、朝日か「平助」」 爽和が名乗ろとした時、部屋の襖が開いた。 全員がそちらへ顔を向ける。 「あ、やっぱり来いって?」 藤堂がその人に聞くと、その人は静かに首肯する。 怪しいやつではないと思うんだけどなぁ、と藤堂はこぼしながら爽和の方に顔を戻した。 「悪いんだけど、どうしても俺達の上司に会ってもらわなくちゃいけなくなっちゃった。 いいかな?」 「…はい。」 彼らの上司とは恐らく、土方、近藤。 特に土方は"鬼の副長"と呼ばれる程の厳しさぶり。 きっと問い質すつもりなんだろう。怪しい存在の私を。
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