お慕い申し上げておりました

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「で、どうなんだ。」 また話を振られ、爽和は少し考える。 「自信、は…あります。」 何年も、あの時から何年もやってきたこと。 一応、日本一という称号も貰っている。 大丈夫。 爽和は笑って答えた。 「お前を今日から隊士にする。」 男は静かに言い放った。 「ぇ…隊士?私が、ですか?」 「何か都合が悪いことでもあんのか?」 「いやっ、違います!」 都合が悪いどころか有り難い事だった。 この時代には帰る場所も、生活する術も持っていない。 剣道なんかで手に職をつけるなら嬉しい。 「ありがとうございます!」 それに、憧れの人たちと生活できる。感謝することしかない。 爽和は深々と頭を下げた。 「ちょっと!」 声を上げたのはまた藤堂だった 「分かってる? ちゃんと知ってる?俺達の仕事がどんなも「知ってます。」」 爽和は藤堂の言いたい事も、それが助言だと言うことも分かっている。 真っ直ぐな瞳で藤堂を射抜く。 「あなた達の仕事の事、きちんと分かっています。」
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