お慕い申し上げておりました

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藤堂は複雑そうな顔をしたまま無言。 そんな藤堂を見て、その人は苦笑する。 「では彼が正式に隊士なったということですから、自己紹介でもしませんか? 私はここの副長をやっています 山南敬助です。」 山南は軽く頭を下げる。 先程、爽和と目があった人で優しげな風貌をしている。 流石、"仏の副長"だなと思う。 「よろしくお願いします。」 私も頭を下げる。 「土方くん。」 「…わかってるよ。 副長、土方。」 言葉少なでぶっきらぼうな自己紹介に、多少驚きながらも頭を下げる。 「次は僕ですか? 僕は沖田総司。 役職でいうと副長助勤です。」 この人が"猛者の剣"の人。 沖田総司と言えば、美青年だったとかそうでなかったとか二つの説がある。 この場合は前者。 背は高く、目は二重でくっきりとしていて、すっと通った鼻筋。 色白で、体格がそんなに良いわけではなくて、すらっとしている。 どこから"猛者の剣"と謳われる程の力がでるのか不思議で仕方ない。
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