お慕い申し上げておりました

34/39

151人が本棚に入れています
本棚に追加
/239ページ
そんな!と爽和は目を丸くする。 「斎藤様にはいいところがいっぱいありますよ! って、違います。 いや、これも本音ですけど言いたいことはそこじゃないんです。 私は、斎藤様を敬愛してるんです。」 敬愛、という言葉に斎藤はやっぱり眉を顰める。 「だって私は知ってるんです。 斎藤様の生き様を。 どうしてとか、何言ってんだこいつとか思いますよね?」 斎藤は一瞬逡巡した後頷く。 それを受けて爽和は大きく息を吸い、ゆっくりと震える声を抑えながら言った。 「私は150年後から来ました。」 「…!150年、後…」 俄(ニワカ)に信じがたい話だ。 だが真実そうだとするならば、俺達の全てを知っているという言葉は筋が通らなくもない。 「150年後の日本には、あなた達、しん…っと壬生浪士組の事が語り継がれています。 皆が皆、詳しく知っているということはありませんが…たぶん名前を知らない人はいないと思います。 私はあなた達の生き様に惹かれました。 だから詳しく知ってるんです。 始まりから、終わりまで。 これが私の秘密です。」 斎藤は唖然とするしかなかった
/239ページ

最初のコメントを投稿しよう!

151人が本棚に入れています
本棚に追加