こえ

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「にしても、余裕だねぇ~ 皆は教室で机にかじり付くようにガリガリ勉強してんのに。」 「そう言う皆川こそ。」 「まぁね。」 皆川は不敵な笑みを浮かべる。 「そんなに難しいとこ狙ってないからね。 それに『勉学と武道、両立できんようじゃ一流にはなれん』って、じいちゃんが言うからさー」 毎日毎日しつこいんだよ、と悪態をついている。 「あぁ… それでも、きちんと両立しているんだから素晴らしいと思いますよ。」 皆川の祖父は道場を開いている それはそれは有名で、全国に沢山の道場を持っているのだ。 それを経営?しているのは全て、皆川一族。 何だかんだ言いながら、彼女はそんな祖父を尊敬している。 「ありがとう。 まぁ、どんなに頑張っても爽和にだけは勝てないんだよねー、どれも。 あんた完璧すぎ。」 「そんな事ないです。」 自分は完璧に何て程遠い人間だと思うのに、皆川の言葉は意外でしかない。 「いーや、そんなことあるっ!」
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