お慕い申し上げておりました

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おかしいなと言いながら目をこする手は斎藤に赤くなると阻まれた。 「信じて欲しいか?」 「はい。」 突然の問いに条件反射で答えてしまった爽和。 それを慌てて、取り繕う。 「あっ…と、別にどっちでもいいです。 私にはどちらでも変わりないですから。」 その様子に斎藤は思わず笑みをこぼす。 「ふっ、おかしなやつだ。 俺はお前を信じてみようと思う」 爽和は目を丸くし斎藤をじっと見つめていたが、目線を落とし 「口先だけなんて…嫌ですよ。」 と言った。 「あぁ。 だから泣くなよ?」 斎藤が言うと、照れているのか何なのか、くわりと反論した。 「っな、泣きませんよ!」 分かったと諫めると、泣きませんからと言いつつも漸く落ち着いた。 「はぁ…何か疲れました。 手も痛いし、色々ありましたから。 まさか斎藤様にばれているとは思いもしませんでした。 他の方は気づかなかったのに… 斎藤様はどうして気づかれたんですか?」 爽和は思い出すように尋ねた。
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