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薄い障子から透けて入ってくる光が暗く閉ざされて視界を刺激する。
「…朝か。」
光に促され瞼を上げる。
起きようと上体を起こそうとすると体が上がらない。
「ん…?」
その原因を作っている元へ目を向けると、
「爽和!?」
未だすやすや眠っている爽和の姿があった。
「ぅん…?」
寝起きの頭で反射的に驚きはしたが、だんだん整理されてきた。
昨夜、話をしたあと部屋に戻ると、爽和が訪ねてきて…
それで共に寝たのだったか。
「起きろ、朝だ。」
先程の俺の呼びかけで目は覚めただろうと思い、朝だと起こす。
「…………」
しかし、無言。
爽和の拘束を少し強引に剥がし立ち上がり障子を開ける。
「もう皆、起き出している。」
「う…や、やめ…て下さ…ぃ」
開けた障子から直接日の光が爽和の顔に射す。
もの凄く嫌そうな顔をして顔を歪ませた。
それでも尚、起きてこようとはしない。
寝起きが悪いのか?
新たな発見だ。
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