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「あれは…」
どう説明したものかと考えていると言いよどんでしまう。
「ほらー!」
「違う。ただの添い寝だ。」
そう、ただの添い寝。
断じて他意があるわけではない
「添い寝ぇ?」
「あいつもまだ子供だ。
こんな所に一人で不安だったんだろう。」
「子供って…何才?」
「…十四、五才?」
今更だが、正確な年齢を聞いていなかったことに気づいた。
「分かってないんじゃん。
俺には十七くらいに見えるんだけどな。
っていうか、いつの間に添い寝する程仲良くなったの?」
「昨晩。…色々あった。」
「いいなー
俺も仲良くなりたい。」
「なぜ?」
未だ間者の疑いが晴れていない人間と仲良くなりたいとは、意図が読めない。
「そりゃあ…仲良くなりたいのに理由なんている?」
きっぱり言い切る。
斎藤は微笑む。
「いらないな。」
平助はこういうやつだ。
「仲良くしてやるといい。
きっと…喜ぶ。」
爽和には人を信じられない様子があった。
直ぐには無理でも、平助のような底抜けの明るさはきっと爽和の心を開く。
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