こえ

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びしっと指を爽和が持っている木刀に向ける。 「第一に!剣道。」 それから顔に指を移す。 「次にルックス。 これは適わない所か雲泥の差があるんだけどね…」 皆川は有りもしない涙を拭う。 「中性的な顔だけど、髪型とかメイク一つで可愛くも綺麗にもなれちゃうんだから羨ましい。 しかも、髪色も瞳の色も地なんでしょう?」 爽和の髪と瞳の色は栗色。 別に染めている訳でも、カラコンでもない。 「はい。」 「あたしも、そういう風なのが良かったなぁ…」 少しだけ目にかかる前髪をいじりながら、口を尖らせている。 彼女は分かっていない。 そう言う偶に見せる女の子っぽい仕草が異性を惹きつけていることを。 皆川は確かに可愛くはない。 それは決して不細工ということではなく、彼女はボーイッシュなだけだ。 しかし、そのさっぱりしている性格は誰からも好かれる。 顔立ちも整っている。 きっと、する事をすれば可愛くなれる。 でも、やはりボーイッシュなスタイルが一番皆川を引き立てると爽和は思う。
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