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それでも己を貫き通しここまでの強さを得ている一を見たら、同じ左利きとしては尊敬するだろう。
「そっか。そういう意味か。
きっと皆も勘違いしたままだな」
「違いない。
平助が違うと教えてやってくれ
爽和も勘違いされたままだと、肩身が狭いだろう。」
「伝える。
その方が皆、気楽に接せられるよな。あいつ、うやむやにしたままだったからな…」
その時、後ろから近づいてきた二つの気配。
一つは藤堂の後ろから、一つは斎藤の後ろから。
「平助。」
「一様。」
まだ半襦のままの爽和が斎藤の背を叩く。
「一様。
何から何までで申し訳ないんですけど…私、着替えがないんです。
どうしたら、いいんでしょう?」
そして藤堂の後ろから来た沖田はというと、
「何なの、朝から大きい声で僕の事呼んで。
迷惑きわまりないんだけど。
何、嫌がらせ?」
胡座をかいている藤堂の頭を鷲掴みにしている。
「痛っ…ごめんごめん!
やっぱり何でもなかった。」
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