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「ああ、いいよ。貸す貸す。
今貸すから来て。」
「はい、ありがとうございます
一様、おはようございました。」
斎藤に一礼する。
「ああ、早くいけ。」
そして二人は共に去っていった
「俺もさ、そんな数もってるわけじゃないんだけど…何がいいとかある?」
行李を漁りながら背中を向けて語りかけてくる藤堂に、何だか申し訳ない気持ちになりながらも遠慮がちに答える。
「えっと…何でもいいです。
藤堂さんが一番着なさそうなものとかでいいです。」
「着なそうなやつね…
袴と着流しどっちがいい?」
「袴でお願いします。」
爽和には着流しの着方が分からない。
袴なら胴着と同じだろうという理由で選んだ。
「こんなんでいい?」
藤堂が爽和に見せたのは、紺というよりは藍色に近い着物と鼠色の袴。
落ち着いた色合いで爽和は好きだった。
「はい、大丈夫です。
ありがとうございます。」
爽和はそれを受け取る。
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