こえ

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「それは…パーフェクトボディ! ぶっちゃけ、爽和は多くの男子に囁かれているのだよ。 あと、少し胸があれば完璧なのにって。」 皆川は先程まで爽和の胸を指さしていた指で、眼鏡を押し上げる真似をする。 さながら、教授のように。 「だけど! 爽和は本当は、それなりにあるのを隠してるだけ! もうーやだわ~ 本当、完璧すぎ。」 はぁ、と溜め息をつき頬に手を当てる皆川。 「いや、胸もそんなにあるわけではなくて…」 「剣道やるのに邪魔なくらい、しか、ないってか?」 「うっ…」 そう、爽和は本当は割と胸がある方の人間だ。 しかし剣道をやっていくには、そんなものは邪魔でしかなく、さらしで出来るだけなくしている。 故に、端からみたらそんなにないように見えるのだ。 何故今時さらしなのかと問われれば答えは一つ。 盛るには最適だろう下着は、なくすには適さないからだ。 この事が人に知られたのは部活の合宿のときだった。 散々言われた記憶がある。
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