第4章 ~逃亡~

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『四国八十八箇所の結界よ。相反する者同士。されば、死国は黄泉、黄泉は死国。合わさり立てよ、この世の理をタガえようぞ。急急命』 水路の出口に金色の陣が浮かび上がる 陰陽道でもなく、神道でもなく、仏教でもなく 黄泉の国、死国の結界 「貴様、何をした!?」 「お望みどおり結界だよ。お前らが約束を違えたら全員、いわゆる地獄行きだ」 男は無言だった 「結界が終わったら口封じに殺すつもりだったろ?言ったよな?危害を加えたら結界は崩壊すると?張られていたのは密教が使っている結界だった。補っただけだ。付加価値をつけてね」 男は牙を剥き瑠鹿を威嚇した 「仲間が全員死んでもいいのかな?」 今回は瑠鹿の方が一枚、上手だった 「帰るぞ!」 わらわらと河から水路に向かう人魚達 「やっぱりな。舟底に仕込んでいたか。気配には敏感なもんでね。じゃ、さいなら!ありがとよ!」
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