序章

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文久3年9月18日。 「そうですか、失礼します」 袴を着た1人の少年が店から出てくる。 「……雨」 外は激しい雨が降っている。 少年は少し空を眺める。 「早く会いたいけど、今日はやめとこうか…。 お梅姉さん。元気でいてくださいね。」 そう呟いた少年の声は雨によって、誰にも届くことはなかった。 そんなことを知らない少年は、姉に届いていると信じて 明日会えると“希望”をもって 宿への道のりを急ぐー…。
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