醜いのは嫌いなんだ

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醜さを嫌う。 それ故に嫉妬という人間の感情を表へ出せず 壁を作り、ひとりぼっち…。 自己を嫌い…孤独の闇の中で足掻いて…命を求める 猟奇殺人鬼になっちゃったのかな? 悲しいな‥それは‥凄く 悲しい… 抱き締める力が自然と強くなる美智。 ユウトは目を見開いた後 唇を噛み締めた。 『お願いです、自分を嫌わないで下さい…。』 ……わたしは何をしている? 抱き締めたのはいいが、あのお父さんだぞ? まずくないか? クスッ ユウト「俺みたいな奴に優しくしたら だめだぞ。」 わたしを離すお父さんは笑っていた。 そして ギュッと 子供の様に強く お父さんはわたしを抱き締めた。 ユウト「命が…欲しくなっちまうだろ?」 耳元で声を振り絞り 消え入りそうな言葉を囁くと お父さんは、離れた。 …今のがお父さんの心の声? 寂しそうで苦しそうな声だった。 お父さんは立ち上がる。 ユウト「お嬢さん、これはアドバイスだ。 本当に独りの奴と 独りになろうとしてる奴は違うんだよ。 受け入れろ、とは言わない。 けど イクトにも 猟奇殺人鬼の血が‥俺の血が流れてる事を常に心に置け。 彼奴が可愛いからって油断するなよ? どんなに抗おうと 血には逆らえない。 深く関われば関わる程、俺の血筋は、狂っていくからな。」 凛としたいつもお父さんの声だった。
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