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ゴホッ ゴホッ
「真弓先輩!
(背中を擦りながら)
ごめんなさい、私が妙な事を言ったばっかしに」
「キミちゃん、あたしなら大丈夫じゃよ。
あのね、殴ったんじゃよ」
「殴った……酷い!
先輩を殴るなんて、そんな暴力男は、
この私が許せませーーーんっ!」
「違うがねキミちゃん、
あたしが、殴ったんだがね。拳骨(げんこつ)で」
「はあ? グーで…ですか? なんで?
ああっ先輩、
そんなにがぶ飲みして平気なんですか?」
「ばっかぁ、平気な訳がないがね。
さっきからトイレが近うて適わんちぃ。
……ほな、行って来るけぇ」
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真弓は、気遣って詰め寄る、
「寄るな、馬鹿!
帰るんじゃない、トイレじゃ。そこ退けじゃ」
男子諸君を後にしてボックスを出ると、駆け出した。
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(あちゃーーっ、満員だがねっ!)
真弓は足踏みしながら待つこととなった。
(ち、ちょっと、みんな長かょ~~~っ)
足踏みが早くなり、限界が来つつあった。
(くくっ、みんなぁな、何ばしよるとねぇぇっ……
ぁああ……もぅぅ駄目じゃぁぁょょ……)
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身を屈めながら、男子トイレを覗くと、
(しめた!
神はあたしを見捨てんかったがね!)
誰も居なくて空いていた。
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【使用中………】
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ジャーーーッ
やがて終わると、そっと戸を開け……た。
(おおっ誰も居らんがね。
またもや神の采配……ついてるがねぇぇ)
と、キョロキョロしながら急ぎ閉めて、
手洗いへと向かった。
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