第1章

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「じゃあさっさと消えて。なにがひっでぇな、よ。日子を、狂わせておいて、」 「いやいや、世間一般で言ったら俺の方が可哀想だろ。姉の命を奪われて」 「なに言ってんの、あんた」 けっ、と笑った。門の常夜灯に群がる虫、満天の星空、朝顔が咲くには、まだまだか。 「夏々ちゃんが死んで、喜んだ癖に」 「……」 「……」 「……いやー……夜子はなんでも知ってるな。めんどくさいくらいに」 「そりゃごめんあそばせ」 夏々ちゃんは、いわゆるブラコンだった。それをケイは、ほんっとうに嫌がっていた。 夏々ちゃんが死んで、 喜ぶくらいには。 「……本当にあんた、死ねばいいのに」 「それは誰のため?」 「なに言ってんの?あたしのために決まってるじゃん」 「……ん?今さっきと矛盾してない」 「別にいいでしょ」 玄関先に落ちてる石を拾った。で、投げる。ケイに向かって。 「ちょっ、」 「いい加減に帰って。そんで死ね」 「ちぇー……じゃあまたな」
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