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「じゃあさっさと消えて。なにがひっでぇな、よ。日子を、狂わせておいて、」
「いやいや、世間一般で言ったら俺の方が可哀想だろ。姉の命を奪われて」
「なに言ってんの、あんた」
けっ、と笑った。門の常夜灯に群がる虫、満天の星空、朝顔が咲くには、まだまだか。
「夏々ちゃんが死んで、喜んだ癖に」
「……」
「……」
「……いやー……夜子はなんでも知ってるな。めんどくさいくらいに」
「そりゃごめんあそばせ」
夏々ちゃんは、いわゆるブラコンだった。それをケイは、ほんっとうに嫌がっていた。
夏々ちゃんが死んで、
喜ぶくらいには。
「……本当にあんた、死ねばいいのに」
「それは誰のため?」
「なに言ってんの?あたしのために決まってるじゃん」
「……ん?今さっきと矛盾してない」
「別にいいでしょ」
玄関先に落ちてる石を拾った。で、投げる。ケイに向かって。
「ちょっ、」
「いい加減に帰って。そんで死ね」
「ちぇー……じゃあまたな」
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