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ごめん、と夜子に呟いた。ごめん、ごめん。
「どうしたの?日子!」
「ごめん、ごめん……ケイが死んだの、知ってた、のに」
「ひ、こ……?」
夜子の声が震える。今にも泣き出しそうなくらい。
「殺したの、あたしなのにぃ……っ!」
「日子っ、違う、違うでしょ!あれは事故だった!日子はなにも悪くなかった!!」
「だってあの時あたしが走り出さなかったら良かった!あんなに駄々を捏ねなきゃ良かった!なんであたしが死ななかったの!?あたしは、足を奪われただけでケイは死んだの!?」
―――ぱん、と頬の上で音が弾けた。
「なんでそんなこと言うの日子!じゃあ日子が今ここにいることを喜んでるあたしはどうなるの!?お父さんとお母さんは!?」
「っ、でも……っ!!」
「いい加減にしよ。ねえ、もう疲れたでしょう?」
慈しむように、夜子があたしの頭を撫でる。あぁ、あぁ、あぁ、
「ごめん、夜子」
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