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「ただいま、お母さん」
家の門で立ってたお母さんに、言った。車椅子では日子が眠っている。
「お帰り、夜子。日子、眠ってるの?」
「うん。泣き疲れたんだね」
からからと、からからと、車輪が鳴る。お母さんと一緒に日子を部屋まで連れて行って、ベッドに寝かす。
「ごめんお母さん、ちょっと外に」
「えぇ、側溝に気を付けて」
そこは不審者じゃないんだ、と少し笑えた。
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「―――ケイ!」
「うわっ、なんでバレた」
・・・・・・・・・・・・
木の影からケイが出てくる。
「バス停から追っかけて来てたの、見えてたし」
ケイは。死んでいない。
「なんだよその言い草ー……ねーちゃんの五周忌から頑張って抜け出してきたのに」
「なんで抜け出してきたんだよ、ばかっ」
「日子が心配だったから」
にこにことケイは笑う。あぁ、殴りたいくらいにうざったい。
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