第2章

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人気のない廊下を歩き出すと、後ろで扉が閉まる音がした。 振り向くと、高宮くんがこちらに向かって歩いてきている。 目が合うと、にこりと微笑まれた。 私は瞬きをひとつすると、くるりと前に向き直った。 きっと、無愛想な女だと思われているだろう。 でも私は高宮くんのように、いつでも誰にでも笑顔を振りまくことができない。 こんなだから、前の職場も長続きしなかったのだ……。 っと、なんだか思考が暗くなってきたから、このことを考えるのはもうやめにすることにした。 「あの……。桐島さん」 暗い思考を切り替えようとしていると、高宮くんが後ろから声をかけてきた。
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