第2章

12/37
前へ
/572ページ
次へ
「だから。解ったから、もういいよ」 私の言葉に、高宮くんは一瞬呆けた顔をして。 次の瞬間、満面の笑みを浮かべた。 「よかった~!」 心底、ほっとしたような笑顔の高宮くんを見ていると、変なことにこだわっていた自分が馬鹿らしくなった。 「行くよ」 「え……?」 声をかけた私に、とぼけた返事を返す高宮くんを、ちらりと振り返った。 「ご・は・ん!」 「あ……、はい!」 嬉しそうに返事をして後を追いかけてくる高宮くんが、実家で飼っていた大型犬<アッシュ>とダブって見えて。 私はこっそり口もとを緩めた。
/572ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8258人が本棚に入れています
本棚に追加