第2章

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告白してもいないのにフラレた、なんて言いたくない。 それを説明しようと思えば、ながながと話しをしなくちゃいけなくなる。 興味本位の谷口さんを相手に、そんなことは労力の無駄遣いだ。 「……」 まただんまりを決めこんだ私に、谷口さんはねぇねぇと迫ってきた。 「……あの…」 その時、後ろから困ったような声が聞こえて、谷口さんが振り向いた。 そこには、席を外していた高宮くんが資料を手に立っていた。 「あ…っ」 谷口さんは慌てて立ち上がり、愛想笑いをしながら自席へと戻っていった。
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