第2章

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「…なにかありました?」 そんな谷口さんを怪訝そうに見送った高宮くんは、私に向かってそう聞いてきた。 「……べつに」 「そう…ですか?」 説明するのも面倒くさくてそう答えると、納得はしていないながらも高宮くんは椅子に座って仕事をし始めた。 そう。噂好きの女子社員が何を言おうが、放っておけばいい。 そう思った私は、まさかこれがこれから巻き込まれる色々なことのきっかけになっていたなんて。 この時はまだ、これっぽっちも想像すらしていなかった。
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