第2章

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次の日、出社した私は高宮くんがいるわけでもないのに、集まる視線に眉をひそめた。 昨日、社員食堂に高宮くんと一緒に行ったのは、軽率すぎたのだろうか。 目立つつもりのない私は、その視線の多さに辟易とした。 居心地が悪く感じながら部署内に入ると、遠くで谷口さんが他の女子社員たちとたむろしているのが見えた。 私が入ってきたのを見て、またひそひそと話しているところを見ると私の噂話でもしているのだろう。 ぴくりと眉が動いたが、なにも言わずに席についた。 なにかを言ったところで、火に油を注ぐだけだということは、よくわかっていた。
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