第2章

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「おはようございます」 柔らかな微笑みを見せて、高宮くんが入ってくると、谷口さんたちはわいわいと高宮くんのまわりに群がった。 あることないこと質問されているのだろう。 ちらりと視線を送ったが、巻き添えになるのは御免こうむりたい。 誰かと目が合う前に、私はパソコンへと視線を戻した。 「おはようございます」 それなのに、高宮くんは私を責めることなく笑顔で挨拶してきた。 「…おはよう」 なんだかバツが悪くて小さく返事をかえすと、高宮くんは私の顔を覗きこんできた。 「調子、悪いですか?」 心配そうなその眼差しに、私は慌てて首を横に振った。
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