第2章

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こういう時、自分の懐の狭さを思い知る。 「…なにかあったら言って」 普段では絶対に言わない台詞を言って、逃げるように仕事を再開した。 「はいっ」 それなのに、高宮くんは凄く嬉しそうにそう返事をしてくれた。 今まで、ただの同期としてしか接することのなかった高宮くんとの距離が、なんだか少し近づいた気がして。 それがなんだか照れくさくてパソコンへと集中していた私は、まわりの視線が私たちに集まっていることなど気づきもしなかった。 忙しく仕事をこなしていると、いつの間にかお昼の時間になっていたようで。 「桐島さん」 隣から呼ばれた声に、私はパソコンから顔を上げた。
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