第2章

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昨日の食堂での光景が甦ってくる。 高宮くんと食堂へ行くと、また人の視線に晒されて目立ってしまうのは必然で。 私はすぐに返事を返すことができなかった。 「嫌……ですよ、ね…」 困ったようにそう言われて、私は顔を上げた。 そこには、眉を下げて哀しげな顔をした高宮くんがいて。 私が出かけて行く時に見送る、愛犬アッシュの姿とダブって見えてしまった。 「…嫌じゃない、けど。 私といると、またからかわれるよ」 今朝、谷口さんたちに囲まれていた様子を思い出してそう言うと、高宮くんはきょとんとした。
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