第2章

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私の表情が微妙だったのだろうか。 「こう見えて、美味しいんですよ」 私を安心させるようにそう言って《定食 和》の暖簾をくぐり、扉を開けた。 中はこじんまりとした作りになっていて。 テーブル席が数席と、カウンターがあるだけだった。 「こんにちは~」 大きな声を上げて高宮くんが中へと声をかけると、厨房で作業していた男の人が顔を上げた。 「いらっしゃい!」 そう声をかけたのは、ちょうど私の親世代の男の人で。 高宮くんの顔を見て、にっこりと笑った。
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