第2章

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「おぉ、隼人。ひさしぶり」 「ご無沙汰してます」 気さくに話しているところを見ると、きっと知り合いなのだろう。 私は高宮くんの影で、その会話が終わるのを待った。 カウンター席とテーブル席はほとんどが客で埋まっていて、この店の人気を伺わせる。 そして、ほぼ全員が中年サラリーマンであることに、私は肩身が狭くなった。 俯いて会話が終わるのを待っていると、 ぱっと高宮くんが振り向いた。 「席、座りましょうか」 慣れない場所にドキドキしていた私は、高宮くんが私に向けた柔らかい微笑みにほっとして頷いた。
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