第2章

36/37
8238人が本棚に入れています
本棚に追加
/572ページ
それ以上なにも言う気になれなくなった私は、黙りこんでしまった。 高宮くんは、それを私が納得したと思ったのだろう。 へらりとした笑顔を返してきた。 この顔の、どこが優しげに見えたのだろう。 さっきまでの自分が信じられなかった。 でも、高宮くんの薦めてくれた海鮮定食は本当に美味しくて。 ネタが新鮮で、私は一瞬にしてこの店のファンになってしまった。 「美味しかった。ありがとう」 店を出て、そう高宮くんに声をかけると、高宮くんはやっぱり嬉しそうに笑った。 その顔は嫌いじゃないかも……、とか思った私は。 どう考えても海鮮定食にヤラれている……。
/572ページ

最初のコメントを投稿しよう!