第3章

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そんなある日、私は書類を届けに第一営業部へ行くことになった。 部署の扉をノックして、扉を開くと目的の人物を探して中を見渡す。 すると一番奥の席に、目的である第一営業課長の姿が見えた。 中へ進んでいくと、ちらちらとこちらを窺う視線を感じる。 私はなるべく気にしないようにしながら、まっすぐに課長の席を目指した。 「松永課長」 目の前に立ち声をかけると、松永課長は手に持っていた資料から顔を上げた。 「斉藤からか」 前もって斉藤主任から連絡が入っていたのだろう。 松永課長はすぐにわかってくれたようだった。
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