第2章

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高宮くんは、短大卒で中途採用の私と同期入社した。 四大卒の同僚になる。 年下だけど同期で。 同期だけど、短大卒の私より四大卒の高宮くんのほうが学歴は上。 なんだか複雑な気分だったが、高宮くんはなんとも思っていないようで。 人懐っこい笑顔で、さんづけで呼び、敬語で話す。 仕事はそつなくこなすのに、へらりと笑うその表情はなんだか覇気がなくて。 もっとビシッとキリッとできないのかと、私はいつもイライラしてしまう。 だからさんづけも敬語も、いつの間にか定着してしまっていた。 本当は呼び捨てでも、タメ口でも構わないのだけど。
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