第2章

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事務の子や、先輩の失敗をなにも言わずに引き受けていることは数知れず。 それに気づいて問いただしてみても、自分がやったの一点張り。 それ以外にも、人が嫌がることを率先してやっているのを何度も見かけた。 気づかれることなく、得にもならないことをする高宮くんを初めは不思議に思っていたけれど。 気づくと放っておけない性格なんだと、最近そう思う。 だから。 きっと、今回のことも。 私にちゃんと断らなければ申し訳ないと思ったのだろう。 アワアワと、言葉にもならない言い訳をする高宮くんを見ていると、なんだか笑いが込み上げてきた。
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