第2章

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ふふっと笑った私を見て、高宮くんは驚いた顔をした後。 凄く嬉しそうに笑った。 私は不覚にも、その笑顔に胸をときめかせてしまった。 笑いをおさめた私を見て、高宮くんはまたアタフタとしはじめた。 そんな姿に、私は追及する気にならなくなった。 「もう、いいわ」 「……あ、はい……」 きっと、もっと問い詰められると思ったのだろう。 呆気にとられた顔で、高宮くんは小さく返事をした。 「昼休み、終わっちゃうよ」 呆然と立ち尽くす高宮くんにそう声をかけると、私は重い扉を引いて廊下へと戻った。
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