0人が本棚に入れています
本棚に追加
そこに『あの人』が現れた。
『あの人』は、涙を流しながら僕に『大丈夫だよ』と、その声はとても悲しそうにそしてとても優しい響きだった。
僕はその声に安心し、気が緩み気を失った…
……………
『ねぇ!早く来てよ!』
小さい頃の僕だ…
楽しそうに笑ってる…
ここはどこだ…?
思い出せない…
でもとっても大切なところだったはず…
あぁ…あの人は…。
『 』…。
あぁ…はやく会いたい…。
今どこにいるの…?
会いたいよ…。
…………
目が覚めるとそこは、とっても懐かしいところにいた。
僕が昔暮らしてた家だ。
よく見てみるとところどころ違った。
でもとっても暖かい場所に感じた。
昔住んでた家に似てるからかな…?
「おはよう。よく眠れた?」
声が聞こえた方に振り向くとそこには、全身が真っ黒な物に覆われている男がいた。
とてつもなく恐怖を感じるのに、なぜか懐かしさが込み上げてきた。
男が近づいてきて、いきなり抱きしめてきたのだ。
僕はビックリして、動くことができなかった。
「よかった!起きなかったらどうしようと思った!」
男は僕の存在を確かめるようにさっきよりも強く抱きしめてきた。
男の臭いがとっても懐かしい臭いがしたので、なぜかとっても安心してしまい、僕は男にしがみつくように泣き出した。
男は僕に『大丈夫、大丈夫』と言いながら頭を撫で、僕が泣き止むまでずっと撫で続けてくれた。
男の声は僕を包むような暖かなものだった。
僕は泣きつかれて、男のうでのなかでまた眠りについた。
最初のコメントを投稿しよう!