13人が本棚に入れています
本棚に追加
下手すれば、その気まずさに耐えかねて、下宿先を変えてしまうかも知れない。
赤の他人ならそれで終わる話かも知れないのだが、タチが悪い事に、真は義輝のイトコだったりするから困り物だ。
きっと、就職してから以降も・・・親戚の集まりがある度に高校時代のエピソードとして、延々と語られるのだろう。
真の場合、死ぬまで言ってそうだから、余計に怖い。
「・・・く、ぐぅぅ・・・」
思わずおかしな唸り声をあげてしまう義輝がいた。
他方、修羅の場合・・・彼女を拒否する理由が見当たらない。
強いて言うのなら、真の関係だが・・・親戚のしがらみが怖いから君とは付き合えないとも言えない。
修羅に面と向かって親戚のしがらみが怖いと断言したのなら、明日からの自分は『恋愛より親戚を選んだ男』として、重い十字架を背負って生きて行かなければならないだろう。
それはそれで嫌だ。滅茶苦茶カッコ悪い事、この上ない。
ついでに言ってしまうと、義輝は決して真を嫌ってなどいない。
ハチャメチャなトコばかりが目立つ彼女だが、反面、優しい部分などもあって、そこがまた可愛くもあり・・・まぁ、つまる所が、選ぶに選べない。
平たく言う所の、優柔不断。
結果、生まれる、泥沼の三角関係。
もう、見事なばかりに泥まみれである。
でも、なんでかドロドロにはならないのだから不思議だ。
最初のコメントを投稿しよう!