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もう、どう答えていいか解らない義輝が、途方に暮れた顔をしていた所で、修羅がニッと快活な笑みを作って見せた。
「・・・ふふ。
冗談だ義輝。
私は、そこの銀髪も恋敵になってほしくなかっただけで、他に他意はなかったんだ」
もし、眼前の百合色お姉さんが相手なら・・・勝ち目が薄くなるからーーと、胸中でのみ付け足して。
敢えて口には出さなかったのは、彼女なりの意地があったのかも知れない。
つまり、負けたくないのだ。
でも、やっぱり不安だったのだろう。
小刀をしまい、義輝の背後に回っていた修羅は、さりげなく義輝の背中に頬をすりよせる感じで立っていた。
「・・・で、だ?
私はどう安心すれば良いと言うんだ?」
その上で、さりげなく話を違う方向に持って行こうとして見せた。
ある意味、策士である。
「ーーああ、そこなんだけど。
今回の件に関しては、ある程度の特例が認められててね?
一定の条件さえ満たせれば、生徒会が市から全面的に権利を頂く事が可能だったりするんだ」
「・・・なに?」
さりげなく話を戻され、はたと気づく感じで答えた瞬に、修羅はポカンとした顔を作る。
瞬はけっこう簡単に言ってはいたが・・・実際問題それは、口で言うほど簡単な物ではない。
なんと言っても、全権を生徒会・・・つまり、学校の生徒に一任させる訳である。
簡素に言うのなら、独断と偏見で全てを決めても良いと言ってるわけだ。
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