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それだけに、修羅も彼女の言葉を信じる事が出来たのだ。
こうと断言までした以上、目前の生徒会長は全力で修羅の保身に努めてくるだろう。
そこは信じる事が出来た。
・・・けれど、だ?
他方、不安要素もある。
「一つだけ、質問してもいいか?」
「どうぞ」
修羅の言葉に、瞬は軽やかな笑みで答える。
「一定の条件と言うのは、どんな物だ?」
「ああ、それね?
率直に物を言えばーー私達と一緒に、この一件を解決して欲しいってトコかな?」
瞬は依然として、軽やかな口調のまま答えた。
「なるほど」
この言葉に修羅は納得混じりの相づちを打つ。
つまり、仲間になれと言っている。
「特に問題がある訳でもないよね?」
「・・・まぁ、確かにな」
相変わらず、明るい口調を保ったまま言った瞬に、修羅はどこか煮えきらない態度を取って見せる。
「・・・?」
瞬は不思議そうな顔になった。
同時に思う。
そんなに悩む様な条件ではない筈なのにな・・・と。
果たして。
「何がそんなに不服なの?」
しびれを切らす様に、すこし不満げな顔になって言う瞬がいた所で、修羅はふためき加減の声を出しながら、その真意を口にした。
「べ、別に不満じゃないぞ!
その・・・ただ、少し気になった事があっただけで・・・」
修羅は、おずおずと控えめな声音で、そうと瞬に返した。
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